え!?文化祭?いきなり番外編???
本作、ハレーション・ゴーストは前作と打って変わって榊達の通う学園が舞台です。
しかもSCFは登場せず、必然的にメカの登場も超能力もなし。おかげで榊&ノブの二人は今回、全くの脇役です。
では、今回の主人公はというと、榊のルームメイトの沖田が主人公となります。
冒頭、沖田は黒服の男たちに誘拐されそうになっている女の子を助けようとするところから始まります。
女の子をかっさらおうと駆け出したところ、突然空中に出現した大岩が男たちの上に落下して、女の子は何食わぬ顔でその場から立ち去ってしまう。
そこから沖田の周りでは奇妙な出来事が起こり始めます。
女子寮だけで発生した地震。大温室に現れたドラキュラ伯爵。男子寮を雪山に変えた雪女。
そして、それらの現象にことごとく絡んでくる冒頭の女の子。
実は、この女の子の正体は・・・
という感じで物語は進んでいきます。
本作は、「パターンA」と「パターンB」の2パートに分かれていて、一連の騒ぎは「パターンA」でいったん終息を見るのですが、「パターンB」でさらにパワーアップしてカオスと化し、ついには現実世界の存亡に関わるような大騒ぎになっていきます。
ここで面白いのは、パターンAが起きた原因はその女の子、パターンBが起きた原因はおそらくですが、沖田が原因ではないかということです。
かくいう私も、このことに気付いたのは20年以上経って、創元版での小川一水氏の巻末解説を読んでからあらためて読み直してみて気付くというものでした。
当時は散々読み直していたのに全く気付かなかったよ。
さて、本作の「パターンB」では当時の映画やアニメ、漫画のネタがほぼそのまま出てきて「コレいろいろ大丈夫なの?」と余計な心配をさせられますが、こうやって出版社を変えてもそのまま出版されているということは、まあセーフなんでしょうね。
アラフォー、アラフィフ世代の人たちには「あったあった」と懐かしく、今の子たちには「いっちょんわからん」となるようなネタがちりばめられていますが、そういうのを抜きにしても今でも十分楽しめる作品です。
沖田達の繰り広げるドタバタ学園ラブコメ(私はラブコメだと思っています)、今作もスロットル全開です。
ではでは
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