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クライマックスに向けて加速する!妖精作戦PARTⅢ「カーニバル・ナイト」著者:笹本祐一〈朝日ソノラマ文庫/創元SF文庫〉

外伝(?)を挟んで本編に戻ってきました。妖精作戦PARTⅢです。

どんちゃん騒ぎの前作「ハレーション・ゴースト」とは一転して、なにやら不穏な動きを見せるSCFサイドから話は始まります。

そして冒頭からいきなり、妖精作戦後半のもう一人のヒロインとも言える「和紗結希(かずさ ゆき)」が登場します。

彼女もヒロインの小牧ノブと同様に超能力者です。結希の能力は思念爆発=サイコクラッシュとテレパス。

結希はSCFのエージェントとして、小牧ノブ誘拐作戦のために、榊たちが通う高校へ転校生として送り込まれます。

時を同じくして学園に現れた「探偵」こと、フリーの工作員である平沢を偶然見つけた榊たち。当然SCF絡みではないかと疑い、沖田とつばさを中心にあの手この手で結希に接触を試みるのですが、テレパスである結希には全て筒抜けなわけで・・・

このあたりのやり取りは、「分かっている」我々読者側としては、「分かってない」沖田達の行動は見て(読んで)いてやきもきさせられます。

結局、沖田達は結希がテレパスであることを知るのですが、この時の沖田とつばさの反応の違いが興味深いです。

結希の素性を知ってもなお前に進もうとする沖田と、真の目的を見透かされてたとも知らずに近付いてしまった自分のうかつさに激しく落ち込むつばさ。

特につばさの方は、いつも激しく沖田とやり合っている新聞部の鬼編集長の姿とはかけ離れた落ち込みっぷりで、その姿を見ると「ああ、この子も根っこのところは素直で真面目な子なんだなあ」と、好感を抱かされました。

そして、ここからストーリーは一気に加速していきます。

再び始動したSCFの小牧ノブ捕獲作戦「カーニバル・ナイト」

学園に攻めてくる戦車群に、上空で繰り広げられる空中戦。

遂に対峙する結希とノブ。

最終巻「ラスト・レター」に向けて、物語は最高の引きで終わります。

ではでは

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