空の話

東京第二特別管制区について

本日、JAPA(日本航空機操縦士協会)からのメルマガにて、『特別管制空域を有視界飛行にて飛行する際の注意点について(小型機運航者の皆様向け)』という情報配信がありました。

当該記事は以下のとおりです。

【航空局】特別管制空域を有視界飛行にて飛行する際の注意点について(小型機運航者の皆様向け)

一時期話題になりましたので、航空業界関係者以外でもご存じの方がいらっしゃると思いますが、羽田空港の新滑走路新設に伴い設定された、首都上空を飛行して羽田に着陸するための新ルートに関することです。

要約すると

①特別管制空域(Positive Control Area=PCA)を飛行するときは、入る前にちゃんと東京TCAに通報してね

②最近、高度を間違えて黙って入ってくる人いるから気を付けてね

ということです。

特別管制空域(PCA)とは、主に大きな空港の進入経路上に設定されることが多く、原則として有視界飛行方式(VFR)での飛行を禁止している空域のことです。

基本的に航空交通が多い空域に設定されるものなので、管制官の指示に従って飛行すること=計器飛行方式(IFR)での飛行を求められます。

VFR機は進路ごとに定められた飛行高度や雲から離れて飛行するなど、一定のルールを守っていれば基本的にフリーダムです。

そんな飛行機がトラフィックが混みあっているところを好き勝手に飛ばれちゃかなわんということで、VFR機がPCAを飛行するときは進入する前に当該PCAを管轄する管制機関に許可を受ける必要があります。

大体のパイロットは、自分のホームとなる飛行場やよく使う訓練空域周辺のPCAは把握しており、滅多なことではPCAなんてメンドクサイ空域には近づかないようにしていると思います。

ただし、今回の東京第二特別管制区については最近設定された空域であり、しかも結構チマチマと最低高度と上限高度を刻んでいるため、勘違いで誤進入したり、あるいは久しぶりのフライトで飛行情報が古いままで飛行して知らないうちに進入してしまっていた、なんてこともあるのかもしれません。

とはいえ、パイロットは航空法により「出発前の確認」が義務付けられており、確認すべき内容の中に「国土交通大臣が提供する情報(航空情報)」が定められています。

「知らなかった」は言い訳にもなりません。無知が原因でうっかり進入し、さらに着陸進入してくる旅客機のTCAS(空中衝突防止装置)を作動させ、緊急回避なんて行わせてしまったら・・・

考えただけで ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル です。

自分のフライトに必要な航空情報というものは結構頻繁に更新されています。

常に最新のものが発行されていないかアンテナを張り巡らせて確認し、安全運航に心掛けたいものですね。

ではでは

-空の話

© 2024 空の本棚