12月も終わりに近づき、AIM-Jの2021年前期版が届きました。
前期版で行われた改訂事項の中で目玉となるのは、管制方式基準における後方乱気流管制方式の改正ではないかと思います。
では、これからその中身について確認していきたいと思います。
1 後方乱気流カテゴリーについて
従来では後方乱気流区分と呼称されていたものが、後方乱気流カテゴリーに変更されました。
最大離陸重量で区分されているのは改正前と変わりませんが、新たにICAO Doc 8643(AIRCRAFT TYPE DESIGNATORS)に示される航空機として「Super Heavy(記号:J)」が追加されました。
区 分(記号) | 最 大 離 陸 重 量 等 |
Super Heavy:J | ICAO Doc 8643(AIRCRAFT TYPE DESIGNATORS)に示される航空機 |
Heavy:H | 136,000kg(300,000lbs)以上で「J」に該当する航空機を除く |
Medium:M | 7,000kg(15,500lbs)を超え136,000kg(300,000lbs)未満 |
Light:L | 7,000kg(15,500lbs)以下 |
今回の改正により、従来までは特出しされていたエアバスA388(A380-800)がSuper Heavy:Jに分類されることになりました。最近、国内でも時々見かけられるようになったアントノフA225(An-225)ももちろんSuper Heavy:Jです。
2 後方乱気流グループについて
次は新設された後方乱気流グループについてです。
後方乱気流グループについては最大離陸重量及び全幅で区分され、分類については以下のとおりとなっています。
グループ | 最大離陸重量 | 全幅 |
グループ A | 136,000kg以上 | 74.68mを超え80m以下 |
グループ B | 53.34mを超え74.68m以下 | |
グループ C | 38.1mを超え53.34m以下 | |
グループ D | 18,600kgを超え 136,000kg未満 |
32mを超え38.1m以下 |
グループ E | 27.43mを超え32m以下 | |
グループ F | 27.43m以下 | |
グループ G | 18,600kg以下 |
ただし、AIMによれば、後方乱気流グループの組み合わせによる管制間隔の最低基準が適用されるのは、成田国際空港および東京国際空港の離着陸機に限られるそうです。
以上、後方乱気流区分と後方乱気流グループについて概要を説明させていただきました。なお、各区分およびグループごとに、出発/到着最低間隔が設定されていますので、ご自分が運航を行う航空機の区分/グループに応じた管制間隔を確認するようにお願いします。
また、このように従来の方式から変わった個所については、技能審査の口述試験で非常に質問しやすい、というかまず間違いなく質問される個所なので、これから技能審査等を受験される方については確実に押さえておくようにしましょう。
ではでは